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1/19新聞掲載「太陽光+蓄電池で光熱費削減 電力会社の選択情報も重要!」

電気代3倍も? 家計に在宅勤務の負担ズシリ

 

新型コロナウイルス感染拡大で2度目の緊急事態宣言が出て以来、在宅勤務を続けていた都内の会社員Aさんは18日、バスと電車を乗り継いで久々に出社した。理由は暖房に照明にパソコン……在宅勤務にかかる電気代だ。「感染は怖いし『出勤7割減』にも協力したいが、なにせ今月の電気代がいくらになるか不安で」

コロナ禍の収入減に苦しむ家計に電気代高騰という伏兵が加わった。寒波を機に全国的に電力需給が逼迫、電力事業者が電力を売買する卸電力市場での取引価格が跳ね上がったのだ。昨年12月初めには1キロワット時あたり5円台だった日本卸電力取引所(JEPX)の指標価格は、1月13日に154円強と25倍以上に高騰した。

「平均で2~3倍、それ以上になる可能性も」

この卸価格急騰の直撃を受けるのが割安価格を武器にシェアを拡大してきた「新電力」各社と契約する人だ。新電力とは2016年の電力小売り自由化以降、続々参入した新規電力事業者のことでその数600社以上。以前は東京電力や関西電力など地域の電力会社しか選べなかった契約を奪って、20%程度のシェアを確保するまでに成長していた。

価格競争力の源泉が自前の発電設備を持たず卸売市場から随時、電力を調達する機動性だが、今回はそれが裏目に出た。各種プランの中には卸売価格の動きと連動する「市場価格連動型」もあり、SNS(交流サイト)上では「1日の電気代が5000円突破」「このままでは月10万円コース」の悲鳴が飛び交う。

「お客様に請求する電気料金が平均で2~3倍、状況によってはそれ以上になる可能性があります」。主要新電力の1つ、自然電力(福岡市)は7日にホームページ上で注意を喚起。度々情報を更新して解約や他社への切り替え方法を案内すると同時に、1~2月の電気料金が大手電力の水準を超えた分については上限3万円まで会社が補塡する救済策も発表している。

在宅勤務の負担増も乗り換え誘因に

新電力への乗り換えによる電気代カットは家計の節約法の定番だった。電気代を含む「水道光熱費」は消費支出を構成する十大費目の一つで月間消費支出のおよそ7%を占める。しかも毎月継続的に負担が発生する固定費。電気代だけでみても2~3人世帯で1万円前後、4~5人世帯なら1万2000~3000円程度の支出が必ずある(2019年家計調査年報による全国平均)。

これに昨年来加わったのが在宅勤務による負荷だ。出社して家にいなければ必要のない照明・エアコンに加え、パソコンなど業務ゆえの電気代もかさむ。前回の緊急事態宣言は4~5月でエアコンにかかる電気代が比較的少なくて済む季節だったにもかかわらず、多くの家計が負担増を実感。そんな中、1キロワット時当たりの電気代を詳細に比較して「在宅勤務で電気代は月4000円のアップも」などとアピールし、攻勢をかけていたのが価格競争力で勝る新電力だった。

「節約リテラシー」の高い家計ほど切り替え

結果、コストに敏感な人ほど新電力を採用していたはずだ。「年2万円前後の削減効果のあった人が多かった」と家計の見直し相談センターの代表、ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは語る。藤川さん自身も実行し「毎月1万円前後は節約効果を実感していた」という。情報に敏感でいち早く節約に動いていた家計ほど今回は直撃を受けた格好だ。東電など大手の電気料金も上がる方向だが、燃料を半年など長期で調達済みのため影響の度合いは緩やかで値上げ幅も圧縮される。

在宅コスト負担の分担議論を

そもそも在宅勤務が増えて家庭における電力使用量が増える中、電気代や通信費などの勤務に関わるコストは誰がどの程度負担すべきか、議論は始まったばかりだ。一義的には企業側に業務環境を整える責任があるが、家に関するコストはどこまでが仕事でどこまでがプライベートか切り分けは難しい。15日には国税庁が在宅勤務中の通信費や電気代について、勤務日数の半額をメドに(電気代はさらに面積要件あり)課税対象から外すガイドラインを発表した。その範囲であれば企業は税負担が増えることを気にせずに「在宅勤務手当」を出しやすくなる。電気代高騰の根底には原発停止という構造要因が横たわるだけに影響は長期化も予想される。コロナ後の働き方改革を進めるなかでルール整備を急ぐ必要がある。

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